ノーベル経済学賞!リチャード・セイラ―『Nudge』を2行で要約する記事
こんにちは、こんばんは!
先日今年のノーベル賞が発表され、なんだかんだとワイドショーで騒いでいた気もするが、実際に賞を取った高名な学者たちの書籍を読んだことがあるという人がどれほどいるだろうか?
おそらく、あまり多くはないだろう。
どうせ読んでもよくわからないし、時間もないし、といったところか。
事実、現代人は忙しい。
世間で話題になったことを全部チェックしていたら体がもたないし、あらゆる分野の背景知識を持っている訳でもない。
だから僕が代わりに情報をまとめていこうと思う。
何をやるのかは、タイトルの通り。
『Nudge』を2行でまとめる。
随分と挑戦的なタイトルを付けたじゃないかと思っている方もいるだろう。
なんせ、320ページある書籍を2行でまとめようとしているのだから。
おそらく世界初の試みだろう。
おそらく世界初の試みだろう。
でも僕はこう思う。
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できるできないじゃない…やるかやらないかだよ |
早速始める。行こう。
「Nudgeとは、他人に注意を喚起したり気付かせたりすること。Nudgeを適切に配置することで選択の自由を侵さずに人々の生活を向上させることができる。」
※スマホやタブレットの画面サイズによっては2行になっていないかもしれませんが、僕のノートパソコンでは2行でまとまっているのでご容赦ください。
これで理解できた方、或いは興味を失ってしまった方はページを閉じてもらって結構だ。
ここから先は、この2行の補足説明に過ぎないので、詳しく知りたい方は読んで欲しい。
《強制せずに注意を促す”nudge”》
ナッジの元々の意味は、「(ひじなどで)軽く突っつくこと」。
「おい、○○がお前のこと見てるぞ」的なヤツだ。
この本では、そのように命令したり強制したりすることなく注意を促すことをナッジと呼んでいる。
ナッジの実例を紹介する。
大学の食堂を運営するスタッフを想像してほしい。(仮にAとする)
Aは食堂の売り上げ以上に学生の健康に関心がある。
できるだけ栄養価の高い料理を学生たちに買ってほしいと思っている。
Aはどうするべきだろうか?
最も簡単なのは、フライドポテトなどの栄養価のあまり高くない、健康に悪そうなメニューをなくしてしまうことである。
しかしこれでは学生は納得しない。
(こういうメニューは概して美味しい)
次に思いつくのは、買ってほしいものを値下げすることである。
古典的な経済学に従えば、価格が下がればみんなが欲しがるのである。
しかし値段なんてコロコロ変えていいもんじゃない。混乱するだけだ。
これもよくない。
ナッジの考え方でいけば、陳列の順番を変えるだけで学生の選択が変わることが実験で明らかになっているのでこれを使う。
具体的にどういった陳列をすればいいのかは書かれていないが、デザートを先に並べるとか、ポテトをどの高さにするとか、そういった工夫だけで劇的に変わるそうだ。
ナッジの特長は、権力や金銭的インセンティブに頼らずに人々の心理に働きかけることである。
これは大きな手掛かりとなるだろう。
《合理的な「エコノ」と誤りを犯す「人間」》
従来の経済学は、人々が完全に合理的な判断を下す「エコノ」であるという仮定で話が進んでいた。
自分の利益を最大化するように行動するという前提があるのだ。
だが実際の人間はしょっちゅう間違う。
以前書いた記事
でも紹介した通り、様々に歪んだ認知を持っているのが普通である。
お金に関する事で言えば、現状維持バイアスというものがある。
いわゆる惰性のことであるが、たいしたメリットもないことをダラダラと続けてしまうことである。
定期購読している雑誌をそんなに読んでいなかったり、WOWOWなどの有料放送に加入したけどあまり見ていない、といった感じである。
エコノであればこんなミスはしないが、人間はこれをしょっちゅうやっている。
要するに、解約したりなんだかんだの手続きが面倒でやりたくないのだ。
こういう人に役立つナッジは、デフォルトの設定を継続申請をしないと定期購読を打ち切るようにしておくことである。
(何も申請しなかったときに続けるのか辞めるのかを初回に設定できるといい)
これなら強制もインセンティブもなくても消費者の満足は向上する。
アンカリングというものもある。
印象に残った数字がその後の判断に影響を与えてしまうことをいう。(たとえその数字が何の意味も無い物でも!)
これは船が錨(アンカー)を下すとその周辺でしか動けなくなることからとった比喩である。
例えばこんな話がある。
「シリアの穀物自給率は何割か?」と聞かれたとして、知っている人はまあいいが、知らない人にとってはどうしようもなく見当もつかない質問である。
見当がつかないので勘で答えるしかない。
だが、この質問の前に「ルーレットを回してください」といわれて回していると、そのルーレットで8とか9が出た人はさっきのシリアの質問でも割と高めの割合を答えるし、1とか2が出た人は低めに答えることが多いことがわかっている。
自分の回したルーレットとシリアの食料自給率には何の関係も無いことが明らかであるにも関わらず、直前に回したルーレットがアンカーとなり、その周辺で物事を考えてしまうというミスを犯す。
(ちなみに正解は約6割)
ナッジの考え方では、こういった全く見当がつかない問題にぶち当たった時に、政府などの知識人が適切なアンカーを打ち込んでくれることが望ましい。
(政府が知識人がどうかという話はしない。そうであれと願うばかりである)
《終わりに》
本の内容としてはだいたいこんな感じで、このようにナッジが役に立つ例を沢山紹介しています。
詳しくは本を読んでほしいですが、簡単な質問であれば受け付けます。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
それではまた!
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