中国の不動産バブルについて~歴史は繰り返す~



 中国の201746月期のGDP成長率は前年比プラス6.9%で、政府の目標値を上回った。だが、2010年代初期のような急成長は翳りを見せ、政府による公共投資の影響が大きいと見られる。


また、かつての日本のように中国でも投機目的の不動産購入も見られるようになり、中国政府は昨年から規制を急いでいる。それが功を奏したのか、北京や上海などの都市部ではマンション価格の高騰が鈍化した。



しかし不動産投機の流れは止められないのか、行き場を失ったマネーは地方に流れている。北京の不動産業者が「地方マンション購入ツアー」という事業を昨年末からはじめた。お金の余っている顧客が地方の物件を買いあさっているというのである。



「家は住むためのものだ」と習近平国家主席が繰り返し呼びかけているように、中国政府は投機目的の不動産購入を規制するなど対策をしているが、バブルの萌芽は地方に広がっているようである。




また、主要産業にも変化が訪れそうである。インターネット通販事業が好調である一方で、スマートフォン出荷台数は3年ぶりに減少に転じた。スマートフォン市場は飽和状態となり、新モデルの投入も減少している。拡大を続けてきた自動車産業にも変調が見られる。新車販売台数は前年比プラス3.8%ではあるが、前年同期のプラス8.1%と比較すると大きく減速したと言える。



スマートフォン、自動車のいずれも中国は世界最大の市場である。中国市場が急激に縮小するようなことがあれば、製品や部品を取引している日米欧の各国も必然的に影響を受けることになる。

中国は不動産バブルや消費の急減速のリスクを内包しながら経済運営を続けていくことになりそうである。




投資バブルや市場の飽和といった現象は、日本も含め先進国各国が経験してきた(あるいはしている)ことである。


社会学者ジンメルの理論と合わせて考えてみると、どこの国の話か、何年代の出来事か、資本主義国か共産主義国か、といった「内容」の違いはあるものの、「形式」としての出来事の本質的な部分はほとんど変わっていない。



国内の皆が貧しい頃は、目標が明確である。努力して生産力を高めれば豊かになれる。


モノを作れば作っただけ売れるし、それが次の生産につながる。そうやって経済成長を遂げるのである。


だが、ある程度のレベルまで豊かになった時、このように上手く経済成長のサイクルを維持することが困難になる。


生産をせずに投機で稼ごうとするものが現れるから市場の動きが鈍るのか、市場が飽和したから投機によって利潤追求をするようになるのか、どちらの因果関係が正しいのか(あるいは相関関係か)、正確な分析は出来ていないが、ある程度経済成長を遂げた国がこのような問題に直面することはかなり多いようである。




皮肉的ではあるが、バブル的に投機ブームがやってきてそれが破綻した後大きな経済停滞に陥るという流れは、今まで世界各国で何度も起こってきた。


これらの豊富な失敗例を参考に中国は経済停滞を避けることができるだろうか。それともこの「形式」を引き継いで失敗例を増やすことになるだろうか。


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