ベーシックインカム~機会の平等と結果の平等~

こんにちは、こんばんは!

突然ですが、平等とはなんでしょうか。
普通に知っている言葉ですが、定義するとなると難しいですよね。


では機会の平等結果の平等に分けて考えるとどうでしょうか。

機会の平等とは、機会,資格,権利など形式的処遇における等しい取扱いを求めることを言います。
例えば入社試験などにおいて人種や性別等を理由に評価に差をつけない、といった類の平等です。

結果の平等とは、諸個人の社会的相互作用の結果生じた富や社会的影響力の不当な格差を是正しようとすることを言います。
自由競争経済において出来た格差を補うための失業保険や生活保護などがこれに当たります。


皆さんはどちらの方がより大切だと思いますか?
どちらも大切であり、絶対的な判断基準をもって甲乙をつけるべきではないと僕は思いますが、社会として、個人としての在り方を考えるきっかけになるのではないかと思います。



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仮想のモデルを使ってもう少し深く考えていきましょう。

1
Aさんは生まれつき頭が良く、特に苦労もせずに名門大学を卒業し、今では年収1000万円です。
Bさんはとても真面目で努力家ですが、手に障害があり、思うように仕事ができないので年収50万円です。
Bさんに社会保障を与えるべきでしょうか。


2
Aさんは勉強が得意な方ではないのですが、必死の猛勉強の末司法試験に合格して今では年収1000万円です。
Bさんは自頭はいいのですが努力が嫌いな性格で、辛いことから逃げる癖があり、現在失業中です。
Bさんに社会保障を与えるべきでしょうか。



3
Aさんは裕福ではないのですが、学問への強い志を持っており、有利子の奨学金を借りて大学に通っています。
Bさんは実家が大金持ちで経済的に苦労したことはなく、とても優秀な家庭教師をつけてもらって名門大学に首席で合格し、特待生となって授業料が免除されています。
これは社会が是正すべき格差でしょうか。また、機会の平等が実現されているといえるでしょうか。

 



3つのモデルケースを見てもらった訳ですが、いかがでしょうか。
これらはいずれも極端な例ですが、注目すべき争点を明らかにするのが目的なのでこれくらいでいいと思います。
様々なご意見があるとは思いますが、平等の在り方や社会が守るべきものを判断するのは難しいということがわかっていただけたのではないでしょうか。


現在の日本のシステムでは、累進課税制度(高所得者ほど多くの所得税を払う)によって高所得者から多くの税金を集め、失業保険や生活保護といった形で低所得者に再分配しています。

一見合理的なシステムですが、苦労して今の高所得を実現した人からすれば「なんでだよ!」となりますし、ただの怠慢によって現在低所得となっている人を保護するのもなんだかなあという気がします。
かといって「経済的弱者はそのまま苦しんでいてください」というのも福祉観に反する。
難しいですよね。


一人一人がどのような経緯で今の状態に至ったのかいちいち判断していられない(調査にコストがかかりすぎる)から現在のようなシステムになっているんですね。
現状としてこれが限界だと思いますが、このままでいいとも思えません。

みんなが納得できる平等を実現するのはとても難しいようです。







ところでなのですが、この間友人とご飯に行ったときにベーシックインカムの話が出てきました。

ベーシックインカムという言葉を聞いたことがありますか?

政治経済に関心のある人やニュースを注意深く見ている人には馴染みの言葉だと思います。



かなりざっくり言うと、ベーシックインカムとは府が国民全員に最低限の生活ができるお金を配ることです。

案自体はけっこう前からあったのですが、全面実施している国は今のところありません。
(2017年1月からフィンランドで試験導入をしています。2000人規模で2年間実験してから今後の方針を考えるようです。)

※追記(2018年4月)
フィンランド政府はベーシックインカム実験の延長はしないと発表しました。
思うような経済効果が出なかったようです。


僕のブログの読者の皆さんは大半が日本人だと思いますが、日本での実施についてはどう思いますか?(コメント欄に書いていただけると幸いです。)

「働かなくても食っていけるぜジャスティス!」と思う方や、「そんな財源ないだろ」と現実的なことを考える方、色々おられると思います。

あくまで個人的な感覚で言えば、理論上不可能ではないが、国民感情がついていかず破綻する、と思っています。



とはいえ案としては悪い話ではないと思います。
(特に平等実現という観点から言えばとても優れていると思います。)



現行の制度では、まず前提として自由市場における競争があり、その結果生じた格差に対して社会保障がなされるということになります。



ベーシックインカム案ではそれを逆転させる。
前提として生存に足る収入を保障し、更なる贅沢をしたい人や、本当に仕事が好きな人は自由に働く、というシステムを作る訳です。
そうすれば低所得者の生活は保障されますし、高所得者の努力も報われます。
ただ生きていく為だけに辛い仕事をする必要もなくなります。
ワーキングプアに喘ぐより生活保護をもらった方が収入が多いという”歪んだ”現状も解消されます。



しかしこれはあくまで理想論です。
あまり現実的ではないと考えた方がいいでしょう。
問題点を挙げておきます。





・圧倒的に財源が足りない

現在(2017年時点)の日本の赤字国債は1000兆円以上。
ここからどうやって国民全員に月10万円以上を配るのか。
年金や生活保護がいらなくなるので足りるんだ、という意見もありますが、政府の役割は他にも沢山あるので楽観的に考えるべきではないでしょう。



・労働者の減少→税収の減少

働かなくても生きていけるなら働かない、という人が増えれば法人税や所得税を回収できなくなり、その結果政府の財政が苦しくなると、制度を保持できなくなるかもしれません。
消費税などの逆進性のある(低所得者ほど不利な)ところを極端に増税してしまうと、結局格差が解消されないということになるので本末転倒です。
また、能力さえあればグローバルに活躍できる時代であるので高所得者に大きな税金を課せば、優秀な人ほど率先して海外に移住するでしょう。



・相対的な貧困

これは感情的な問題です。
仮にベーシックインカムによって暮らしていける程度の収入が保障されたとして、隣人や友人が何億と稼ぎまくっていたとしたら、無関心でいられるでしょうか。羨ましく思ってしまうのではないでしょうか。
人間は相対的な生き物です。他人と比較して自分の置かれた立場を理解するものです。
これだけあれば大丈夫、と絶対的な基準を持っている人は少なく、周りを見ながら現状を把握する人がほとんどです。
そうなると相対的に劣っていると感じた人はまた働かざるを得ないのではないでしょうか。
政府の予算だけが膨らみ社会構造はそのまま、という可能性も考えられます。



今回の記事は少し規模の大きなものとなってしまいました。笑
しかしやがて選挙などを通して民意を問われることになるかもしれないので一人一人が真剣に考えるべきことかなと思います。


最後まで読んでいただいてありがとうございます。
次回も楽しみにしていただけると幸いです。
ご意見、ご感想、取り上げて欲しいテーマがありましたらコメント欄にお願いします。
それでは今回はこの辺で!

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